- 作家名
- 深瀬昌久 | Fukase Masahisa
私的な生活圏や関係をモチーフにする「私写真」の代表格。その作風は「政治の季節」と呼ばれた1960年代に霧散してしまった個の復権を印象付ける。妻を被写体にした『遊戯』や『洋子』、愛猫サスケをテーマにした三冊の写真集、家族や自分自身をモチーフにした『家族』『ブクブク』など、近親者に注がれたシリアスかつ一抹のユーモアを含んだ視線は1990年代まで一貫していた。また、代表作と評される『鴉』は、1976年の発表以来、雑誌連載や写真集刊行を経て国内外で高い評価を受けてきた。1974年にニューヨーク近代美術館から全米巡回した展覧会「New Japanese Photography」にも出品。今日に至るまで、日本を代表する写真家の一人として際立った存在感を放っている。
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