石内都

作家名
石内都 | Ishiuchi Miyako
日本を代表する写真家の一人。アジア人女性として初めてハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、その業績は国内外で高く評価されている。戦後日本社会やその中を生きた個人が抱えるトラウマ――米軍基地のある街、旧赤線地帯、体の傷跡、被爆者の遺品など――を写真によって表現してきた。彼女の仕事は3冊の写真集『Apartment』(1978)、『絶唱、横須賀ストーリー』(1979)、『連夜の街』(1981)から始まり、個人の身体に注目した『1・9・4・7』(1990)や『Scars』(2005)を経て、遺品を接写した『Mother’s』(2002)、『ひろしま』(2008)、『Frida』(2013)へと展開する。石内が自分自身に、あるいは“おんなたち”一人ひとりに向けるまなざしは、時代や文化の垣根を越えて共感を呼び、普遍的な問題を提起している。