北井一夫

作家名
北井一夫 | Kitai Kazuo
日本写真史における重要なドキュメンタリー写真家の一人。​中国・鞍山で生まれ、幼少期に日本へ帰国。1960年代から学園闘争の渦中に身を投じて撮影を始める。横須賀での原子力潜水艦寄港反対運動を記録した​『抵抗』(1965)や成田空港の建設に反対する農民たちの闘争と暮らしを記録した『三里塚』(1969)は初期の代表作として名高い。​1974年からは農村の生活風景を記録した『村へ』の撮影を開始。1980年代には大阪や船橋など、都心や新興住宅地の暮らしを活写し、1990年代には北京へも赴いた。​人々の生活そのものを写真で表現しようとする北井の意図は、被写体との絶妙な距離感に現れている。