小林祐史

京都で活動した前衛写真家。東京美術学校（現・東京藝術大学）臨時写真科を卒業した後、1920年代半ばに叔父が経営していた京都の写真場・岐陽館を継ぐ。1925年に結成されたK・P・S（Kyoto Photographic Society）に加入し、中心的なメンバーとして活動した。《哲人Suda》（1922）など絵画主義的なポートレートにも定評があった小林だが、1930年代以降はシュルレアリスムやアブストラクトフォトの影響を受けた実験的な表現も手がけた。植木昇などと同じく、営業写真館主でありながらアヴァンギャルドでもあった稀有な存在と言える。